MY EXPLORATION vol.12 The Wisely Brothers 2-1

[L→R] 和久利泉(Ba. Cho. わくりいずみ)、真舘晴子(Gt. Vo. / まだちはるこ)、渡辺朱音(Dr. Cho. わたなべあかね)

PALLADIUM MAGAZINEでは初の2回目の登場。7月17日に2ndアルバム『Captain Sad』をリリースすることが決定した、真舘晴子(Gt. Vo. / まだちはるこ)、和久利泉(Ba. Cho. わくりいずみ)、渡辺朱音(Dr. Cho. わたなべあかね)からなるスリーピースバンド、The Wisely Brothers(ワイズリーブラザーズ)。2014年から都内のライブハウスを中心にライブを重ねインディーズでの活動を行い、2018年の2月21日にメジャーデビュー。3月に公開したMY EXPLORATION vol.06から約1年の月日が経った。

メジャーへの移行、リリースに伴うツアー。音楽フェスからライブ。全国各地へと飛びまわりながら、自主企画イベントも定期的に開催してきた。2018年末には、7inchアナログ&配信にて『柔らかな』をリリースし、<Soft Power Tour(ソフトパワーツアー)>と題した東名阪ツアーを敢行。このツアーではheso Inc.とともに衣装、そして初となるジーンを制作。ピンクを基調とした衣装の足元にはPAMPA SOLID RANGER BR(パンパ ソリッド レンジャー バイクリフレクティブ)がセレクトされた。

『どんな音楽を聴きたいんだろう』

前回のインタビューから約1年。大きな一歩を踏みだした3人の現在。これから続くあらたなる冒険。そして昨年末に開催された<Soft Power Tour>で得た感触と、これからへと続いていく想いを聞いた。

真舘晴子(以下、真舘)「あっという間の1年でしたね。メジャーへ行ったらレコード会社の名前だったり、肩書がつきますよね。新しい人たちにも出会える。でも、これまでを知ってくださった方は、また違った見方をするようにもなる。そう思ったので、より自分たちの色をしっかりと伝えていかないと、自分たちでも『私たちってなんだろう?』。と分からなくなってしまうかも、という不安な部分もありました」

和久利泉(以下、和久利)「今までの作品は時期や時間などあまり囚われずに作った曲を発表できることが多かったと思うんです。だけど『きっとそれだけではだめになるんだろうな』。そういうイメージを勝手に持っていました。そう考えて、少し臆病になってしまった時期もありましたね」

真舘「今までよりも沢山の人から感想をもらえるようになりましたが、それが自信につながることも、時には悩んでしまったりすることも。とにかく『YAK』リリースから、以前よりも、もっと多くの人との出会いがありました」

和久利「北海道や九州。これでまで私たちが活動をしたことのない地域でも、私たちのことを知っている人がいることを知りました」

真舘「それまで北海道と福岡には行ったことがなかったので、私たちのことをどのように知っていてくれて、どういうふうに受け入れてくれるのか。これは実際にまわってみないと解らないですよね。その中で『ワイズリーブラザーズの作品を聴いてこんな気持ちになりました!』って、その土地に住んでいる人だからこそ感じられる受け取り方で教えてくださったりしたことは、とても嬉しいことでした。私たちの音楽を聴いて『どんなことを考えているだろう』、そして『どんなThe Wisely Brothersを聴いてみたいだろう?』ということにも興味が湧きました。そういう出会いから『じゃあ次はどうしよう?』そう視野が広がりました。特に北海道では東京に住んでいる人たちとの感覚が違って新鮮な気持ちになりました」

音楽をやりたいんだ! 楽しんで向き合う

インディーからメジャーへ。もちろんこれまでも3人だけですべての活動をおこなってきたわけではないが、関わる人、出会いは多くなる。演奏に制作。そして精神面。何を感じたのだろうか。

真舘「3人のコミュニケーションが減ることはなくて、沢山の人からの意見や声を聴くことができたから、前よりもっとコミュニケーションが増えましたね」

和久利「昔から現場でアドバイスをもらうと、3人とも『そうかもしれないな』って納得してしまうところがあるんですけど…」

3人 (笑)

渡辺朱音(以下、渡辺)「最終的には3人で決めるんですけど、ひとつの意見としていただいた言葉を、そのまま3人ともが受け入れてやってしまっていました。とにかく、まずそれをそのままやってみるっていう感じだったんですよね。最近になって、意見として言ってもらえる言葉たちは、私たち3人だけでは思いもしないものでもあるので、『私たちがどう思うのか?』、『どうしたいのか?』そういうことを3人でしっかりと考えて、やってみるようになって、より良いものにするために、“どのようにその言葉たちを受け入れるのか”という変化はありました」

真舘「沢山の人から言葉をいただけるようになったからこそ、考えることも増えました。でも、その分何かをつくることも、楽しむことにも必死になれたと思います」

和久利「自分がしっかりと気持ちを持っていなければ、変われない部分が多くなりました。『私たちは今どこで音楽をしているのか?』そう意識をもっていないと、あっという間に時間が過ぎ去ってしまうもので、とにかく最初は難しさを感じました。だけど『これから自分はどんな風になっていきたいんだろう』って、やりたいことをもっとやれる時間にもなってきています。“もったいない時間を過ごしたくないな”。どんどんそういう気持ちが増えています」

真舘「2018年は焦っている時間が多かったんです。フルアルバムをリリースして、気持ちはすぐにでも新しい曲をつくりたいと思っているけど、どんどん出てくるわけではないじゃないですか。何か音が出てきて、つくってみて、それを聴き直してみた時に不安に感じている自分がいたんです。色々な体験をアウトプットをできているのかって解らなくなったりして“つくっているのに、つくれていない”。『音楽にしたい!』という気持ちがあるからこそ、悔しさが生まれる」

真舘「何かを作るための過程で、一旦放っておくこともひとつの手段としてありますが、毎日気にかけることも私たちには必要な手段でした。止めることで“何か”が無くなっていっちゃうこともあるんです。もちろん根詰めている時期ばかりではなくて、前向きに楽しんで向き合っているようになっています。そういうことを考えたりする1年でした」

渡辺「昨年の後半は晴子と同じで、もっと毎日を“何のために過ごしているのか”って考えさせられる期間でした。前半はただ慌ただしく過ぎて、同じ1年に感じられなかったな。とにかく色々なことを考えるようになりましたね。一時期は舞台に出るたびに『こうしなくちゃ』って、責任を感じていてばかり。映画『青のハスより』で映像をつくってもらって、多くの場所で撮影をして頂いた映像のなかで、演奏の撮影でバラードをやっているのに、私の顔はバラードに入っている感じじゃなかった。自分が演奏をしている姿を見ることはあまりないので、『もっとできたはず』って。その時に『私は一体何に責任を感じて叩いていたんだろう』って気付いたんです。今年はもっと『前向きに、前のめりに』毎日を過ごせていますね」

自分たちが創りあげる空間-ライブ
変化と繋ぎ

渡辺「ライブ面も変化はありましたね。以前は曲が盛り上がる瞬間を楽しみにしている感覚があったんですけど、『何を伝えるべきなのか』ということを考えながら音を出すようになりました。そうやって演奏をするようになったら、次の作品のことやパフォーマンス、次の場所について考えることへと繋がるようになってきたんですよね」

真舘「2018年は自主企画ライブを重ねていく中で、『同じ曲をどう毎回楽しんで演奏できるか?』、って不安になった時期もありました。ライブの流れを私たち自身が最高に楽しめるようにつくっていけないと、お客さんも楽しめない。そうじゃないと、一緒に楽しむことができない。とてもシンプルなことですけど、その時期に初めて気が付いたんです。それからすぐに3人で、『同じ曲を演奏しても、どうやったらより楽しんでもらえるか』を話し合ったんです。考えてやってみたら、結果として曲の活かしかたへも繋がっていて、何より繋ぐ部分に試行錯誤してみて、実際に演奏してみたら、とても楽しくて(笑)。もっとやってみよう!って」

渡辺「私は柔軟に動けないタイプで、メトロノームを聴いているようなドラムではないし、曲の中でも体調とか緊張でテンポが変わっちゃう時もあるんですけど、今は毎回ライブで録音している音源を聴き返すと、繋ぎの部分で演奏を楽しめているのを感じます」

真舘「楽しいよね。なんだか、力強さもいることだったよね」

渡辺「格好良くなれた気がする(笑)」

和久利「たしかに(笑)。昨年の自主企画を通じて、曲間や繋ぎのことを考えるようになって、それぞれをつくっていく過程に時間はかかるけど、やっていると色々と思いついてくるんですよ。繋ぎの時間は30秒くらいかもしれないけど、その部分をつくることに、1、2時間使ったりする時もあるんです。だけど、楽しいからもっとやりたいですね。これから知る人たちにもライブの演奏を通して、より『私たちが伝えたいことを伝えられるように』なって、ライブを通して『どういう展開になるのかな?』。そういうワクワク感がフロアに伝わって、楽しんでもらえたらいいなって」

渡辺「以前はあえて空白の時間をつくっていたんです。そういうスタイルのバンドも沢山いますし、自分たちもそういうスタイルなのかなって。だけど1曲、1曲が終わった時に『やりきれていない』。そういう気持ちになる時もあったんですよね」

真舘「だんだんとその気持ちが少なくなってきて、もしかしたら以前よりも1曲を最初から最後までやりきれた、そういう感覚がやっと持てるようになったからこそ、繋いでみたり、次の曲を演奏するのも楽しみになってきたのかもしれないです」

真舘「私たちの空間を『もっともっとつくっていきたい!』って常々思うんです。色々な人たちのライブを見に行くと、『こんなに幸せで心地の良い空間があるんだ!』そういう気持ちになることが沢山あるんです。だけど人の真似をしようと思ってもどうもできないんです(笑)。ライブでも、曲でも、空間でも、自分たちが組み合わさると面白いことを楽しんでやっていきたいです」

自然体でいること ―
ライフスタイルから還元されるもの

真舘「2018年は、私たちが持っている不安を知った1年でしたね」

渡辺・和久利 (笑)

真舘「以前は漠然と不安になっている時期があって、どこにも掴みどころがなくて、『何で悲しいのか』。そういうのが分からない……。それをどうしたら解消できるのかも知らなかったんです。その漠然な不安が何なのかを、やっと気づいてきて、逆にどんどん強くなってきている。『何が不安なのか?』それを知る事ってとても大きいですよね。みんなで不安を払拭するために、『どんな風にやっていこう』。そうやって考えることもできました」

和久利「あとは食べ物の大切さを知りました(笑)。音楽ばかりの時も、そうじゃない時も、ご飯を食べる時間って私たちにはとても大きい時間。『YAK』のレコーディングの時に、片寄明人さんが『お昼は好きなもの食べようか!』ってランチに連れ出してくれたんですけど、あの時間があったから、その後もスマートに音楽に入っていけたんですよね。私たちにとって、一緒にご飯を食べに行ったり、どこかに出かけることが息抜きであり、インやアウトをする時間なんです。私たちにとって、この時間を大事にできるかがとても大切なんだなって、改めて認識しました」

真舘「朱音はよくネイルを変えるんですけど、それが楽しみなんです」

和久利「朱音は美容院にもこまめに行くし、偉い!」

渡辺「みんな行くよ(笑)。私は古着が好きなんですけど、2018年はいい古着に沢山会いましたね。服を見た時に『いいな』と思ったものから、『着てもいいんだぞ』って許しを得ることが多くなりました(笑)」

真舘・和久利 (笑)

渡辺「『私には合わないかな?』って思ったものが、着てみた時に自分にフィットした時の感覚が大好きなんですけど、その出会いが多くなりましたね」

真舘「帰りが朱音とふたりになった時に古着屋に入ることがあって、その場面に出会うことが多くて、『あ、これは出会ったな』って気付くことが増えました(笑)」

渡辺「『買いすぎちゃったなぁ……。』って思った帰り道に、晴子が『そういう風に思える服に出会えるのは羨ましいことだ!』って言ってくれて、後悔するのをやめました」

和久利「自分にフィットする古着って、めったに出会えないから嬉しいよね」

真舘「音楽をつくっていても、自分にフィットする音が見当たらない時期もあるんですけど、そういう時にフィットする音が見つかった瞬間は『これだ!』っていう嬉しさがあるんですけど、それと同じくらい、服の出会いは嬉しいし、その出会いは見ていても楽しくなりますよね」

 

MY EXPLORATION vol.12 The Wisely Brothers 2-2

前回のインタビュー MY EXPLORATION vol.06 The Wisely Brothers はコチラ

Photo by Mayumi Komoto
Interview by KM

PROFILE


都内高校の軽音楽部にて結成。真舘晴子(Gt.Vo)、和久利泉 (Ba.Cho)、渡辺朱音(Dr.Cho)からなるオルタナティブかつナチュラルなサウンドを基調とし 会話をするようにライブをするスリーピースバンド。 2014年下北沢を中心に活動開始。 2018年2月キャリア初となる1st Full Album「YAK」発売。 同年11月7inchアナログ「柔らかな」発売。 2019年7月17日に2nd Full Album「Captain Sad」をリリース。

OFFICIAL SITE:https://wiselybrothers.com/

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RELEASE


2st Full Album
TITLE:『Captain Sad』
ARTIST:The Wisely Brothers
DATE:2019/07/17(WED)
PRICE:¥2,593(+TAX)
MORE INFO

EVENT INFO


Captain Sad Tour

DAY:2019.09.19(THU)
TIME:OPEN 18:30 / Start 19:00
PLACE:名古屋 Live & Lounge Vio
TICKET:e+(イープラス)

DAY:2019.09.20(FRI)
TIME:OPEN 18:30 / Start 19:00
PLACE:心斎橋 CONPASS
TICKET:e+(イープラス)

DAY:2019.09.29(SUN)
TIME:OPEN 18:00 / Start 18:30
PLACE:新代田 FEVER
TICKET:e+(イープラス)

『Captain Sad』リリース記念イベント<Captain Notes>

TITLE:Captain Notes day 1
with DRAWING AND MANUAL
「あなたの音を聴かせて 手作り楽器編」
DAY:2019.07.21(SUN)
TIME:
WORKSHOP OPEN 15:30 / START 16:00
LIVE OPEN 18:00 / START 18:30
PLACE:原宿ストロボカフェ
TICKET & MORE INFO

TITLE:Captain Notes day 2
with Cow and Mouse & mimoe & mt school
「あなたのモビール飾らせて マスキングテープ編」
DAY:2019.08.10(SAT)
TIME:
WORKSHOP OPEN 15:30 / START 16:00
LIVE OPEN 18:30 / START 19:00
PLACE:戸・HOTEL KITANO CLUB
TICKET & MORE INFO

2ndアルバム『Captain Sad』インストアイベント

DAY:2019.07.20(SAT)
TIME:20:00
PLACE:タワーレコード新宿店10Fイベントスペース
MORE INFO

DAY:2019.08.03(SUN)
TIME:16:00
PLACE:タワーレコード梅田NU茶屋町店イベントスペース
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DAY:2019.08.11(SUN)
TIME:15:00
PLACE:タワーレコード名古屋パルコ店 店内イベントスペース
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MODEL/PRODUCT


PAMPA SOLID RANGER
パンパ ソリッド レンジャー