THEラブ人間 City Explore × City of Culture 下北沢

[L→R] 金田康平(歌手)/ ツネ・モリサワ(鍵盤)/ 谷崎航大(バイオリン)/ 富田貴之(ドラムス)

2019年12月7日(土)、8日(日)に東京・下北沢を舞台に開催される東京屈指のサーキットイベント<下北沢にて’19>。パラディウムは2019年も引き続き<下北沢にて>とのコラボレーションを行う。今回はその一環として、<下北沢にて>の主催者であり、今年結成10周年を迎えるTHEラブ人間にインタビューを実施。

10月2日には初のベストアルバム『PAST MASTERS』のリリースを控え、アニバーサリー企画とともに<ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2019>などのビッグフェスや各地のイベントの出演をこなしている。70年以上の歴史を歩んできたパラディウムと、あらゆる生き方とカルチャーが交差するこの街と10年という月日を共に過ごしたTHEラブ人間と下北沢を歩いた。

下北沢にて'19:OFFICIAL SITE

City Explore × THEラブ人間

結成10周年のメモリアルイヤーを迎えたTHEラブ人間。ラブソングのみを歌うこの音楽集団は、2009年、下北沢で結成された。下北沢をホームグラウンドとし、現在は金田康平、ツネ・モリサワ、谷崎航大、富田貴之の4人、そしてサポートで複数のベースメンバーで活動を行っているが、歩み続けてきたTHEラブ人間の10年は、決して平坦な道のりではなかったかもしれない。メジャーレーベルからの離脱と自主レーベルの立ち上げ、数年毎に起きたメンバーチェンジ……。いくつかの選択肢がある中で、THEラブ人間は自分たちにとっての“正解”を選びながら、一歩を踏み出し続けて、前に進んできた。

結成の同年9月からライフワークとして続け、今では下北沢のみならず東京を代表する自主イベント<下北沢にて>も今年で10回目を迎え、10月2日には初のベストアルバム『PAST MASTERS』を発売する。不規則に変化する街と、歩みを止めることなく進んできたこの10年の変化について、彼らは何を感じているのか。変わらない場所、変わらないもの。音楽と多様なカルチャー、そしてあらゆる生き方が交差するこの街と、ともに10年という月日を過ごしたメンバーたちと下北沢を歩いた。

また、今回は特別にリハーサルに同行させていただいた。ページ後半のギャラリーにて公開しているので、日頃見ることのできないメンバーの一面が見れるかもしれません。

変化があるから続けられる

金田康平(以降、金田)「この10年で一番大きいのは、音楽的変化だと思いますね。この10年でドラマーが3人、ベーシストは4人変わり、ギターが入った時期もありました。メンバーが変わるのは、いつだって寂しいし、どん底な気分にもなります。だけれど、プレイヤーが変わるとバンドに新しい風が吹くんです。そこに新たな発見があり、音楽の面白さがある。だからこそ、これまで10年間、飽きずに続けてこられた気がします」

ツネ・モリサワ(以降、ツネ)「THEラブ人間という名前だから、人が好きで懐っこくて、いいなと思ったらすぐ受け入れてきたんです。結果的にうまくいかなくても、『ああ、ダメだったね』とその事実を淡々と受け止める。その繰り返しでした。だからこそ、そこからまた新たな挑戦が始まるんですけど、同じチャレンジではないから飽きないというのはありますね。この4人体制になってからは、この4人で固めていきたい、という段階に入ったような気がしています」

富田貴之(以降、富田)「僕はまだTHEラブ人間は2年ちょっとですけど、8年一緒にいるメンバーの中に入っていくというのは、正直、勇気が必要でした。しかも、加入して半年でギターが抜けて、その直後にベースも抜け、客観的に見ればバンドの過渡期だったかもしれません。でも、『なにくそ!』という気持ちでこの2年やってきました。今となっては、バンドの潤滑油だと自負しているほどです(笑)」

微かな光と強い気持ちが原動力

谷崎航大(以降、谷崎)「これまでに辞めたいと思ったことは何回もあるし、実際にメンバーに伝えたこともありました。特に初期は、立ち位置が難しかったんです。ベースが抜ければ僕がベースを弾いてみたり、バイオリンでベースの音域を出してみたりと、試行錯誤の連続でした。メンバーとしてどう立ち回ればいいのかわからず、振り返ればきつい時期でしたね。それでも続けられたのは、半分以上、意地かもしれません。『絶対にやってやる!』っていうような」

ツネ「意地に近いかもしれないけれど、俺の場合、『俺がTHEラブ人間をやっているんだ』。そういう強い気持ちが原動力になっていると思っています。もちろん周りから求められること、たとえばこのライブに出て欲しいとか、新譜聴きたいとか、ライブ行きたいって感じてもらえることは自分たちにとって大きな光です。でも、その前に『俺がこのバンド辞めたら終わりでしょ』という気持ちでやれているから、続いていると思うんです。そういう気持ちは、メンバーもそれぞれ持っているんじゃないかなって」

谷崎「それと、気分が落ちたときになぜか不思議と光を感じるような出来事が起きるんですよね。『やっぱり続けたい』って思えることが」

金田「そういう巡り合わせってあって、実は俺も今から2カ月くらい前に、落ち込むことがたくさん重なって『あー、もう無理!辞めたい!』と考えていたんです。でも、そういうタイミングで<ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2019>への出演が決まって。あぁ、まだ必要とされているんだ。やらなきゃなって。そんな風にまた思えました。正直、10年間、明日が見えたことなんて一度もありません。『なんかうまいこといっているかも?』というときでさえ、ずっと恐れていました。でも、色々なフェスへの出演が決まったり、新曲のミックスを聴いて『おお、いいじゃん!』と思えたりする瞬間が、谷(谷崎)の言葉で言えば“光”で。ただ、それはとてもわずかな光で、もしかしたら光でさえないかもしれない。真っ暗闇の中、誰かの足音がほんの小さく聞こえてきて、『あっちが出口かも?』と感じられるような、微かな“道しるべ”です。でも、それを頼りに10年間やってきたような気がします」

変わりゆく中でも変わらないもの

金田「音楽的手法や言い回しなどの表現はものすごく変わったけれど、歌っている内容はこの10年で少しも変わっていません。THEラブ人間を結成する前に組んでいたバンドでは、自分のことは歌わないようにしていたんです。そのほうが格好いいと思っていたから。でも、必要となったんです。半径10mくらいを歌うことが。80歳、90歳になっても古びない音楽を作りたい思いが根底にあって、そのためには自分のことを歌わないと話にならないと気がついた。そして、10年前に大きな覚悟を決めてTHEラブ人間を結成し、メンバーにも『ラブソングしか作りません。そういうバンドをやります』と話したんです。その思いは今でも変わりません」

変革期の最中。サブカルの街"下北沢"で

この10年で、様変わりした下北沢の街。小田急線の下北沢駅は地下へと潜り、開かずの踏切だった駅前の風景はすっかり過去のものだ。店じまいした古着屋やレコード屋も少なくはない。街が少しずつ変わるように、人もバンドも少しずつ変わってゆく。それは、THEラブ人間も同じだ。でも、10年間変わらず、彼らは下北沢で音を奏でている。

ツネ「下北沢には自分の居場所みたいな街であってほしいと思っています。自分の居場所になる街になっていけば、どんどん面白くなる。広すぎず狭すぎず、適度にローカルな街で、なおかつ発信していけるカルチャーが下北沢にはあります。お金もないバンドマンが路上とかライブハウスで毎日酒を飲んでいる。でもそういう奴らがいざステージ立ったらめちゃくちゃ格好いいんですよね。街並みは少し変わったけれど、そういうところは昔から変わらない。それが下北沢という街ですね」

金田「俺の場合、行き場がなくて下北沢にたどり着いて、初めて友達ができたんです。学校とか、普段いる主戦場では自分が興味のある音楽や文学の話なんてできなかった。でも下北沢には、それを話せる人がいたんです。年齢も違えば性別も違って、故郷も違えば通っている学校も違う。そんな人たちなのに、下北沢という街が共通項で仲良くなれた。それは、ライブハウスのスタッフだったり、古本屋の店員だったり、レコード屋の常連客だったり……。他の街だと居場所がない人たちが流れてきて、それが許されたのが下北沢でした。ツネもその一人ですが、そういう仲間と出会えて、スペシャルな人生になりましたね」

富田「懐の深い街ですね。下北沢には、何者も拒まない温かさがあるような気がします」

下北沢をホームグラウンドとして

金田「HIP HOPで“レペゼン”(*1)というじゃないですか。俺も似たような気持ちを持っています。そんな大層なものではないけど、下北沢を代表する、と感じてもらえるのはうれしいですね」

(*1)ラッパーが自分の出身地域をアイデンティティにすること

谷崎「この街にいる人たちは、何がしかの目的があると思いますね。いないと見えてこない、出会えないものがある街だと思います」

金田「今は均一化された街が多いから、欲しいものがあれば、渋谷だろうが立川だろうがどこでも同じものが買えます。でも下北沢は、下北沢にしかないものに出会える街なんです」

ツネ「古本屋だったり、劇団だったり、音楽だったり、ファッションだったり、ジャンルは違うけど、カルチャーを発信して面白いことをやろうとしている人たちが下北沢にはたくさんいます。それを浸透させるために、<下北沢にて>はジャンルの垣根を取っ払っているんです」

金田「<下北沢にて>は祭りになってきました。もともとは悪ふざけをしようと思って始めたイベントだったんです。ロックバンドが歩行者天国にやぐら建てて、ロック好きじゃない人にロックを聴かせようと。ただそれをやるには、この街は思ったより人懐っこかった。だからこそ、祭りになってきたような気がしますね」

バンドとともに歩んだ<下北沢にて>。10年の想い

結成の同年から続けてきた<下北沢にて>も今年で10回目を迎え、今では下北沢のみならず東京を代表するイベントになった。

富田「今年は2デイズなんです。2デイズは2015年にもやっていて、スタッフ、メンバーがそのときは死ぬほど大変だったと口を揃えて言っていたので、僕は初めてなんで怖いですけど(笑)、でも死ぬ気でがんばります」

谷崎「僕は<下北沢にて>で自分たちのライブが終わった瞬間がやっぱり一番楽しくて、達成感があるんです。その感覚が好きだから、2デイズ、やりきりたいと思っています」

金田「1年で一番緊張するライブが<下北沢にて>です。テレビの収録や生放送なんかよりもずっと緊張します。素晴らしいバンドの濃厚なライブを観たお客さんたちが、最後に自分たちのライブを観るわけで、覚悟が必要なんです。だからこそ、ものすごく緊張します。それまでの準備は大変ですけど、そのライブができるのは本当にうれしいので、全力を尽くしたいですね」

ツネ「10回目だから、というより『10回目を逆手にとってやってやる!』くらいの気持ちでいます。今年は野外ステージも予定していて、当初考えていたやぐらのようなステージを実現して、下北沢に住んでいる地元の人、それからこの街に集う全国の人たち。普段、カルチャーに触れていない人にも届くようなイベントにしたいですね」

Photo by Mayumi Komoto
Interview by Kimiko Ohkatsu
Special Thanks:下北沢にて'19 / 下北沢 / 近松

『THEラブ人間』
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『INFORMATION』
RELEASEEVENT


『PALLADIUM×下北沢にて’19』
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2018 ARCHIVE / REPORT

20187年 11月 インタビュー
URBAN EXPLORATION <下北沢にて>会場の下北沢を探索 

PROFILE


2009年1月、下北沢にて結成されたラブソングのみを歌う音楽集団。あらゆる街でありえない演奏をしながら、ありえないレコードを録音し発表し続けている。2010年9月には『下北沢にて』をオーガナイズし始め、毎年時期を問わず開催されている。

OFFICIAL SITE:https://www.theloveningen.com

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MODEL/PRODUCT


PAMPA HI ORIGINALE
SAHARA/ECRU

PAMPA HI ORIGINALE
BLACK/BLACK

PALLABOSSE LOW
BLACK/BLACK

PAMPA OX ORIGINALE
BLACK/BLACK

INFORMATION


RELEASE

THE LOVE NINGEN BEST ALBUM
TITLE:「PAST MASTERS」
DATE:2019/10/02(WED)
PRICE:¥2,500(+TAX)
特設ページ

EVENT


THEラブ人間セカンドアルバム「SONGS」再現ライブ

DAY:2019.8.28(WED)
TIME:OPEN 19:00 / Start 19:30
PLACE:新宿 red cloth
TICKET:完全予約制

DAY:2019.8.31(SAT)
TIME:OPEN 19:00 / Start 19:30
PLACE:神戸 太陽と虎
TICKET:完全予約制

下北沢にて’19×THEラブ人間ベストアルバム「PAST MASTERS」リリースツアー

TITLE:東京編
DAY:2019.11.3(SUN)
TIME:OPEN 12:00 / Start 13:00
PLACE:下北沢Daisy Bar / 近松 / BASEMENTBAR
TICKET:e+

TITLE:大阪編
DAY:2019.11.22(FRI)
TIME:OPEN 17:30 / Start 18:00
PLACE:Pangea / CLAPPER
TICKET:e+

TITLE:古屋編
DAY:2019.11.23(SAT)
TIME:OPEN 12:00 / Start 13:00
PLACE:R.A.D / Party’z
TICKET:e+

下北沢にて’19


第二弾解禁アーティスト
atelier room / ircle / UMEILO / オレンジスパイニクラブ / CRYAMY / THE BOYS&GIRLS / The Floor / the satellites / The Shiawase / THE TOMBOYS / The Whoops / SULLIVAN's FUN CLUB / シャンプーズ / DOUBLE SIZE BEDROOM / トリプルファイヤー / 灰色ロジック / FINLANDS / ベランパレード / HONGKONGETEMONKEY / Yap!!! … and more!!

第一弾解禁アーティスト
THEラブ人間 / メメタァ / 時速36km / 錯乱前線 / 古墳シスターズ / テジナ / FILTER / シンガロンパレード / -KARAMA- / 浪漫革命 / ROKI / cOups. / バレーボウイズ / 本棚のモヨコ /Broken my toybox / ユレニワ / メレ / カネヨリマサル / Tele / PENs+

DAY:2019.12.07(SAT) / 2019.12.08(SUN)
PLACE:東京都下北沢 GARDEN / SHELTER / CLUB251 / 440 / BASEMENT BAR / THREE / 近松 / MOSAiC / Daisy Bar / Laguna / ERA / GARAGE / WAVER / ReG / mona records / and more
TICKET:e+
URL:http://www.shimokita-nite.net
主催:下北沢にて制作委員会
後援:下北沢南口商店街
協力:下北沢あずま通り商店街 / 下北沢一番街商店街 / ILOVE下北沢 / しもきた振興組合