MY EXPLORATION vol.15 木下百花
下北沢にてEDITION

パラディウムが掲げるテーマ"CITY EXPLORATION(都市探検)"。現代都市探検家の姿を追いかけるMY EXPLORATION。そして、この厳しい情勢下に”FUTURE IS BRIGHT(明るい明日)”というメッセージを掲げた。今回はともに木下百花から話を聞いた。

2010年9月に<NMB48オープニングメンバーオーディション>にて合格し、2011年2月にNMB48劇場で公演デビュー。2012年1月には正規メンバーへと昇格しグループを牽引してきたものの、2017年7月に惜しまれながら卒業した木下百花。もともとグループ内でも異彩を放っていた彼女は、その個性を活かし、現在は音楽活動をメインにLIVE活動や自身のデザインしたグッズの展開など、枠に囚われない自由なソロ活動を行なっている。

2019年からコンスタントにシングルを発表し、2020年末に満を持して1stアルバム『家出』をリリース。その直前には、下北沢を拠点に活動する音楽、劇団、ファッション、グルメ、そして人々を巻き込んだフェス<下北沢にて>(以下、ニテ)に出演を果たした。今回は、音楽とファッション、そして<ニテ>で履きこなしたPAMPA HI ORIGINALE(以下、オリジナーレ)にまつわるキーワード、コロナ禍で感じたことなどから表現者・木下百花を紐解いた。

好きなものや音、宝物を、
みんなに見て、聴いてもらう

-音楽を始めるきっかけは人それぞれですが、木下さんの場合、活動を始めるきっかけが気になります。

ものすごく飽き性な私が唯一飽きなかったものがファッションと音楽で、この2つが無ければ生きることも楽しくなくて、死んじゃうんじゃないかってくらい。自分でそれ自体を表現する人物になろうとまでは当時思ってはいなかったけれど、前職のアイドル活動を終えて家でダラダラしていた頃に、なんとなく、自分の音楽をやってみようかなと思ったんですよね。きっかけは音楽を好きになった時から始まっていたのかもしれません。

-2010年にオーディンションに合格して以来、2017年までNMB48のメンバーとして活躍。その後ソロへと至っていますが、プロのアーティスト及び表現の提供者として生きていこうと思ったきっかけは?

アーティストとか、アイドルとか、タレントとか、そういった肩書きは自分にとって大それたもの過ぎて、あまり意識はしないようにしています。表現者ではありますが、あくまでも「私の好きなものや音、宝物を、みんなに見てもらう、聴いてもらう」くらいの意識でやっています。きっかけというか、好きなことをやっていないと生きていけなくなると自覚してしまったので、今好きなことをたまたまやっているという感覚です。

-自身がプロの音楽家だと感じた瞬間、出来事がありましたら、教えてください。

1stアルバム『家出』で、全作詞・作曲から、ほぼ全曲のアレンジ、ジャケ写や中身のブックレットに至るまで、自分の手や耳を全てに加えたものが完成されて、それが流通して全国のCDショップに並んだ時は、流石に仕事をしたなと感じました。

-音楽といっても様々な分野・役割、活動がありますが、木下さんの活動内容。自身が好きで、得意としている分野は何でしょうか?

音楽を自分の中で「ちゃんと始められてから」は2〜3年ほどだと思うのですが、未だに全く勉強もせずコードも知らずにやっているのに、それがちゃんと自分のやりたかった頭の中にあった音の形になるなんて、今のサポートメンバーを迎えられた私は、かなり人に恵まれているなあと思うんです。会社の大人とは中々話が噛み合わないのですが(笑)、今のサポートメンバーと関わっていく中で私が得意とすることは、とにかく音を楽しむことかなと思います。こういうものをやりたい! って素直に吐き出すこと。そうすると皆があーでもないこーでもないと色々実現していってくれるので、私は自由奔放好き放題に楽しんでいます!

そのうち踊る人でフロアが
埋め尽くされたら良いな

-デビューから10年、ソロ活動始動4年。表現者としての喜びを感じる時。また、ひとりの表現者として、これまでの活動で、特に印象に残っている出来事はありますか?

曲ができるたびにとっても嬉しい気持ちになります。最近、音楽を作って表現している中で、自分が1番救われているんだと気が付きました。気軽にライブができなかったり、人に会わないのは元々慣れっこですが、今の世の中、生の感情表現が難しいこのご時世で、1stアルバム『家出』ができた、あの瞬間。本当に幸せでした。
「こんなに素晴らしい自分の宝物ができた。もう、今消えちゃいたい」と思ったくらいです。救われ過ぎて天に召される勢いでした。でもなんやかんやまだまだやりたいことがあるからまだ地上に立っていようかな。

-表現者としての苦悩や困難を感じる時。それはどのような時に感じるものでしょう。

ライブ慣れしていなかったり、音楽で踊ることが未体験な人たちも、自然に身体や心を解放できるライブや表現をできる様にするにはどうすれば良いのかなあ、と試行錯誤する日々です。
でも踊りたい人は放っておけば踊るし、そのうち踊る人でフロアが埋め尽くされたら良いなと思います。身体や、あるいは心で踊れることを知れば、日々、嫌なことがあっても何となく乗り切れる様な気がするんです。

-苦悩や困難を感じた時、どのように向き合う。または、消化をしていますか?

踊る。

ー自身の表現を様々な手法で伝えていると思いますが、木下さん自身で”大切にしているモノ・コト・想い“について教えてください。

とにかく「好き」「楽しい」という気持ちを1番大切にしています。自分の好きなものに自信があるし、楽しくないとやってらんないから!

ファッションも自分のための、
自分に向けての表現方法

-表現者・アーティストの活動とファッションは、表現の手段として切れない関係だと感じています。改めて木下さんにとってファッションはどのような存在でしょうか。

例えば気分が沈んでいたとしても、素敵な服や靴やアクセサリーを購入するだけで、一気に一日中ご機嫌になれたりします。私にとってはなくてはならないものです。生きている限り色んなファッションを楽しみたい。音楽同様、ファッションにも無限の可能性があると私は思います。ファッションの可能性もだし、選んだものによって自分自身の可能性の広がりも無限大だな、と。

-ライブや作品ビジュアルを決める時で、木下流のファッションの決め事はありますか?

その時に自分が着たいもの! 魅せたい自分!

-木下さんにとって、靴とはどんな存在でしょう。

靴でその日の気分や表現方法が変わってきます、不思議なことに。底の高さで身長も変わるし、色の違いで自分から見える足元の色も変わる。靴はかなり大事な存在です。家に何十足もあるけど、靴の存在によってその日なりたい自分になれる。スニーカーとなると、色ももちろんですが、機能性も重視しますね。

-この情勢下でファッション業界も大きな影響を受け、在り方は新たなフェーズへ向かうため模索を続けています。ファッションはあらゆる人が選択することができ、ブランドは表現提供をする存在だと感じています。木下さんから見て、この時期にファッションの在り方について、考えることはありましたか?

家にいる状態が続くと、なかなかオシャレをしたりするのは難しいかもしれないですが、私は家の中でファッションショーをしたりするので、外で着る機会が無くても服を買ったり、外の地面を踏む予定が無くても靴を買ったりしていました。
それが無いと、自分の日常の中の「ときめき」がグッと減ります。人に見せるためのファッションもあるけれど、私は、音楽同様、ファッションも自分のための、自分に向けての表現方法・存在、という思考が強いです。

-アーティストにとって、足元は重要なポイントとなり、それぞれの人が練習やプライベートで、自身にしっくりとくる様々なアイテムを探していると感じます。木下さんからみて、オリジナーレはどのようなスニーカーだと感じたのでしょうか。

私は普段厚底ばかりで、スニーカーとなると、もっと見る目が厳しくなるようです。形も配色も大事ですし、厚底と違って機能性もちゃんとしたものが良いなと思っています! なのでオリジナーレはいいとこ取りしてるなぁ〜と感じました(笑)。とにかく欲張って、やりたいこと全部やって、しかも実現までしている。
それはすごく難しいことなのに。私が履いたものは、自分のためにあるんじゃないかってくらいのサイズ感や形で。この真っ白のスニーカーはすごく可愛くて、自分にどんぴしゃ似合っていました。

最近はとにかく自然を意識しています

-今回履いて頂いたのは、70年以上続くパラディウム伝統の系譜であるアイコンアイテムのオリジナーレです。そのことに因み、デビューから10年、ソロ活動を始めてから4年。音楽を始めて10年以上の時間・歴史を持つ木下さんが持ち続ける、オリジナル(独創的・独自・感性・これだけは譲れない)なモノ・コト・想いなど教えてください。

好きなことをやりたいし、好きじゃないものはやりたくない。表に立つ仕事をしてきて、色んなことを経験して、考えたり感じたり、何周も周って今はその考えに着地しています。

-様々な出会いや経験という歴史を重ね、オリジナルを残しつつ、さらにブラッシュアップされた、モノ・コト・想いはありますか?

最近はとにかく自然を意識しています。好きなことをやりたいという想いは変わらないんですが、そこに自分に対しての固定観念を持っちゃいけないというか、自分が好きなことはこう、嫌いなことはこうって、最初から決めつけるよりは、色んなことを知ったりやったりして、その中で自分が好きなものをちゃんと見つけていきたいな、と。ありのままの自分をとにかく出せるようにしようと思っています。

私は私が必要としている限りは
この生き方を続けようと思う

―COVID-19の世界的流行の影響により、あらゆるエンタテインメントが表現・発信方法など変えざる得なくなりつつあります。パラディウムも、本国フランスにおいてブランドのオリジナリティある表現をするための撮影やデザインが行えず、ビジュアルイメージも多く減りました。
その中で、少しでもポジティブに過ごせるよう、新たなブランドメッセージ「Tomorrow Is Bright(明るい明日)」を掲げ、「MAKE THE FUTURE(未来を創ろう)」を発信するべくアイテムをリリースし続けています。この期間を通じて、木下さん自身への活動に起こった影響・出来事。エンタテイメント業界のこれからのありかたや、自身の今後活動について感じたことなどはあったでしょうか。

エンタテイメントに限らずですが、世の中には色んな職種があって、娯楽もあって、想いもあって、誰かは必要無くても誰かは必要としている。私は私が必要としている限りはこの生き方を続けようと思うし、辛くなったら一目散に逃げるつもりです。
私にとって音楽やファッションなどの娯楽、エンタテイメントはなくてはならないものですし、自分の想いを再認識できるものなので、目に見える、耳に聞こえる形で、世の中に存在していてほしいです。

―COVID-19の流行・感染が拡大した時期に、日本、東京。そして今回出演した<ニテ>の舞台、下北沢の街をどのように見ていたのでしょう?

今までお客さんとして観ていた側だったので、まずそこは、率直に「嬉しい」という気持ちで出演させていただきました。そのうえで、対策をちゃんと取って、お客さんの足元には目印みたいなものが貼ってあって、ソーシャルディスタンスを取って……
って、もはや慣れてしまったような光景だけど、よく考えたらやっぱ変だな、って思いましたね。今までどれだけ平和に生きてきたかがわかります。

―一時的にライブハウスや舞台がやり玉に挙げられる時期がありましたが、それらは逆に多くの消費者へと、エンタテイメントを目の当たりにする体験の貴重さ、重要さを感じるきっかけになったのではないかと感じています。この期間、木下さん個人が感じていたこと、想いはありましたか。

ギターを持って電車に乗っただけで年配の男性にすごく嫌な顔をされる出来事などもありました。そこで単純に、テレビを見ている人って多いんだなあと思いましたね。ニュースを見て日本や世界がどうなっているのかを把握して、自分の判断、決断をしていくことが大切だと思うのですが、今何が正解か間違いか分からない中で、全てを鵜呑みにするのもなんだかなあ、とは思うんです。自分の好きなものを守るためにはどうすれば良いのか、自分ではない誰かが好きなものも存在するということ、今一度考えないとなと思います。

―この状況下で、改めてアーティスト、カルチャーの表現者の存在意義とは。表現者として、俯瞰的に感じたことを教えてください。

私自身、この世の中で色々なものに救われています。そういう人が沢山いるから今までも文化が続いてきたと思うんです。それだけで存在意義になっているのではないでしょうか。

―COVID-19の影響により、世界中の人々の生活に変化が表れています。この時期を過ごす今。木下さんが企んでいること、あえてやってみたいことはありますか?

企むのは事務所に任せる部分が多いですが、私自身はこの世の中でどうやって自分が楽しめるかの勝負みたいなところがあるので、自分が楽しんだことを皆に共有していけたらな、と思います。その延長線上にライブや音源などがあります。

―木下さん発。「音楽家、表現の提供者として、明るい明日を作るために行おう」と思っていることなどありましたら、教えてください。

今日1日をどれだけ楽しく過ごせるかで、明日が変わってくるし、いつかは死んでいく身体で生まれているからこそ、日々の幸せの積み重ねは大切にしようと思っています。自分の幸せや楽しさを皆に提供することで、なんとなく幸せな気持ちになってくれていたら、私はそれだけで嬉しいです。

Photograph:Kaoru Ito
Text:Yamane
Edit:MK(OM)
Special Thanks:下北沢にて'20/ 下北沢 / 近松

PROFILE


木下百花

兵庫県出身。
小中学生は家出の常習犯。
人生初の作詞作曲は『わたしのはなし』。
猫が好き。動物が好き。ヒトは怖い。
人生初のfull albumは『家出』。
可愛いものが好き。かっこいいものも好き。
素敵だと思える事全てが好き。
海や山や土や花や風、自然が大好き。
私は私が好き。そんな私を好きな人も好き。

MODEL/PRODUCT


PAMPA HI ORIGINALE
パンパ ハイ オリジナーレ
PAMPA OX ORIGINALE
パンパ オックスフォード オリジナーレ

PALLADIUMは、航空機タイヤを製造していた際のキャンバス地と加硫ゴムを組み合わせた製法を応用し、1947年より耐久性に優れたキャンバスブーツをつくり始めました。当時、フランス軍から、「熱帯地方で使用するための快適で耐久性に優れたシューズをつくってほしい」という依頼を受け、完成したのが、70年の歴史を経た今も履き継がれている「pampa(パンパ)」シリーズです。

創業70年となった2017年に、「pampa」 黎明期の雰囲気を再現した『PAMPA HI ORIGINALE(パンパ ハイ オリジナーレ)』『PAMPA OX ORIGINALE(パンパ オックスフォード オリジナーレ)』の2モデルを発表。世界で最も伝説的とも言われるフランスの外国人部隊の歴史の1ページを飾ったブーツが、70年の時を経て、蘇りました。

RELEASE


TITLE:家出
DATE:2020.12.16(WED)
URL:OFFICIAL

EVENT INFO


TITLE:『わたしのはなし 第3話~夜明けのピクニック~』
DAY:2021.04.09(FRI)
TIME:OPEN 17:15
PLACE:恵比寿LIQUIDROOM
ARTIST:木下百花 and Comes Soon…
TICKET & MORE INFO