DARE THE SYNCHRONICITY × ISHIZAKI NORIO（LOFT9 Shibuya）

現在LOFT９のマネージャー・店長としてブッキングや運営を行う石崎さんは、カルチャーを提供する空間をオーガナイズしている。過去に影響を受けてきたエンタテイメントは様々だ。「特に影響を受けたのは、90年代フジテレビで放送していた深夜番組『カノッサの屈辱』、『TVブックメーカー』、『そっとテロリスト』。それと、宮沢章夫さんやシティボーイズらが参加していた演劇ユニット、“ラジカル・カジベリビンバ・システム”です。”新しくておもしろい”が満ち溢れていましたね」

際立って先進的、エッジが効いているカルチャーが交わる渋谷。この街でLOFT9というスポットを運営することは試行錯誤の日々だという。「我々の母体である、新宿LOFTは新宿・中央線文化の色が強いので、そのイメージを『どう脱却するか？』ということがあります。LOFT9は、渋谷ならではのカラーを取り入れつつ、『どうお店を展開していくか？』が常にテーマであり、このことには日々頭を悩ませていますね」

LOFT９は様々な形で感性の提供者と、その感性を受け取る消費者の橋渡しの場であるが、石崎さんは、音楽、映画、トークセッション。エンタテイメント空間をマニュピレイトするなかで、実際に触れる、見る、聴くことでの、疑似体験と実体験の違いを大切にしている。

「これまでにも、いろいろなカルチャーに触れてきたつもりですが、音楽でもトークでも、その楽しさをダイレクトにお客様に届けたいんですよね。そのためには、演者の魅力を直接届けることが一番大事だと思っているので、お店の雰囲気や音響、照明。そして接客。きっかけをつくることと余計なノイズが入らないように心がけていますね。僕はあらゆるエンターテインメントの中で、実際にその場に行って体験する『ライブ』が一番おもしろいと思っています。AR/VRの進歩はすさまじいと思いますが、別のエンターテインメントであると考えます」

「＜SYNCHRONICITY＞は、出演者・テーマ共に素晴らしいフェス。イベントを主宰する麻生さんがナイスガイすぎるのも含めて（笑）。麻生さんの想いが行き届いたフェスとしてひとつの理想形なんじゃないかと思いますし、彼から見習うべきところは多いです。今年は出し物が増えて、LOFT9でも踊ってばかりの国・下津さんの弾き語りがありました。『やっぱり音楽っていいなぁ』って、改めて当たり前のことを思いました。LOFT9で、また下津さんの弾き語りイベント、お願いしたいですね」

「LOFT9は2016年にオープンして今年で3年目。2020年以降の渋谷は、よりITに特化したビジネスの街になって、若い起業家がドンドン集まってくると思います。LOFT9はその波に乗り遅れないように、さらに門戸を広げて、ジャンルを問わずに新たな才能が集まる場として機能していきたいですね」

LOFT9 Shibuya

『LOFT9は今、平日14:00から「CINEMA9」という映像上映企画を始めています。インディーズで頑張る監督たちを応援するもので、短編映画を中心に500円で鑑賞できます。カフェも併設していますので、お茶しながら、イキのいい作品を見て欲しいですね。Cafe9も平日12:00～17:30（テラスは22:30ごろまで）営業。コーヒー300円、トースト100円で販売しています（笑）。近くにお立ち寄りの際はCafe9もご利用ください」