DARE THE SYNCHRONICITY 麻生 潤

都市(CITY)にフォーカスし、常に新しいことへ踏み出してきた、<SYNCHRONICITY(シンクロニシティ)>は、音楽・人のクロスオーバーをコンセプトに、今年で14年目の開催を迎え、音楽の素晴らしさをあらゆる境界線を超えて伝えてきた。

PALLADIUMのブランドテーマである『CITY EXPLORING -都市探検- 』。そして、2018年、70年余りの歴史で培ったブランドスピリッツを“Dare the Unknown”(敢えて一歩を踏み出す)というメッセージに込めました。チャレンジを続けながらも、遊び心のある都市型フェス<SYNCHRONICITY>には、パラディウムと相通ずるところがあり、今年、コラボレートを行うことになった。

SYNCHRONICITY'19:OFFICIAL SITE

DARE × JUN ASO(SYNCHRONICITY/kikyu)

今回、その一環として、独創的な思考や冒険心で、日本の東京という都市から挑戦し、地方。そして世界へと視点を向け、大胆な好奇心を持ち、新しい一歩を敢えて踏み出す、<SYNCHRONICITY>主催者である麻生潤 (以下、麻生) さんへインタビューを行った。

Introduction

「2002年に『-kikyu-』というクリエイターチームを立ち上げて、吉祥寺や渋谷でライブ、DJ、VJや映像演出、ライブペインティング、写真の展示などを織り交ぜて数百人規模のイベントをやっていました。これが<SYNCHRONICITY(以下、シンクロ)>を始めるきっかけになりました」

「今では普通に感じるかもしれないですけど、当時はクラブイベントでライブをしたり、ライブの現場でクラブDJがプレイをするイベントってほとんどなかったんですよね。僕はそれぞれ好きだったし、自分なりに、ライブカルチャーとクラブカルチャーをミックスしてみたいと思ったんです」

「当時はそういったことが盛り上がっていたし、面白かったんですけど、回数を重ねていく中で、リセットというか、“自分自身の視点”を変えてみたくなったんです。今までの取り組みやチームも変えて。常に新しいものを目指していきたいし、つくっていきたい。その時自分が感じるもっとフレキシブルな新しい挑戦がしたくなったんです」

現在の本祭の開催地域は渋谷区丸山町が中心となっているが、第一回目は2005年に代官山UNITで開催された。今も同会場では名前を冠したプレイベントなども開催している。

「チームとして責任を背負うのではなくて、自分で責任を負って、新しいモノ、コト、場所へ触れて、形にしたいと思って<シンクロ>を始めました。初開催は代官山のUNIT。同じ建物でライブハウスもクラブもある。当時のランドマーク的存在でしたし、自分が想像するクロスオーバーを体現できる場所だと感じて、思いを手書きで書いて企画書を持っていったんです。それは今では企画書とは言えないようなシロモノだったんですけど、熱意を感じていただいて、開催をさせてもらえることになりました」

都市の日常生活から究極の偶然を

『-kikyu-』が開催するイベント、そして<シンクロ>がフェスとして開催された2000~05年の日本国内では、大型のキャンプ場やスキー場など自然の中で開催されるロックを中心としたフェスや、小・中規模なアンダーグラウンドシーンのダンスミュージックを主としたレイブなどが開催されていたが、いずれも多くは屋外が中心であり、ジャンルのすみわけも強かった。その中でも麻生さんは都市にフォーカスし、イベントやフェスという概念ではなく、ジャンルの垣根を超えた“空間”をつくりあげてきた。

「野外フェスが主流だったけど<シンクロ>を始めた頃は、少しずつ屋内での大型イベントがフェスとして認識され始めた頃でもあり、都市型フェスという言葉で呼ばれるようになりました。<シンクロ>も都市型フェスとかサーキットフェスとか様々なカテゴライズをされますけど、自分にとって<シンクロ>はサーキットフェスではなくて、都市フェスという言葉がイメージに近いですね。<シンクロ>が“都市”で開催することには明確なテーマを持っています。『街、都市とともにある』、『日常生活・ライフスタイルとともにある』ことが大切な要素で、都市の日常生活の中で<シンクロ>を体現したかったんです」

「“シンクロニシティ”という単語には共時性という意味がありますが、さらにフェスとしての<シンクロ>のフィルターを通して、『運命とも偶然ともつかない様な出来事を通じて、奇跡的な瞬間に出会う』という意味合いを持たせています。これって意識してできるものではないですよね。だけど、その機会をつくろうと挑戦をしなかったら、その瞬間を生むことすらできないって思うんです。それを意識して取り組んでいます」

ミックスカルチャーの体現

14年という年月の中でフェスシーンにも、音楽性やアーティストの流動性など様々な変化があったが、都市、日常生活の中で偶発的に発生する究極の“シンクロニシティ”を、音楽を通じて体現することを大切にしてきた麻生さんは、今や都市のミックスカルチャーの体現者といっても過言ではない。

「同世代のカラーや規模が近いフェスも色々ありましたが、今はほとんどなくなりました。その中でも<シンクロ>が残ってきたことには、大きな意味があると思うんです。<シンクロ>は、規模よりも表現したい形やメッセージを伝えるということのチャレンジに重きを置いて、いつも『残そう。継続させよう』と意識をしてきました」

「また、なによりも『音楽フェスやイベントをやりたい』という思いでやっていないんです。僕は純粋に音楽やアート、多様なカルチャーが好きで、いつもすごく興味がある。その新しいものが生まれる場所ってやっぱり都市(東京)が多いと思う。だから、都市にある文化=音楽を含めたカルチャーを大切にしているんです。『今は何が面白いか?』ということを考えて深堀りもするんですけど、それだけだと<シンクロ>は体現できない。今の面白さはもちろん、色んなカラーやジャンル、世代の動き、そこにある奥行きとか厚さを含めて、“東京”、“日本”の今のカルチャーを、音楽を通じて伝えて行きたいと思っています」

「音楽っていつの時代も社会と繋がっているし、その時代を体現しています。僕にとっては、それを感じ伝えることに意味があるんです。その継続と結果が14年という年月を経て、ミックスカルチャーを体現しているように感じてもらえているのかもしれないですね」

体現者のシティエクスプロール

<シンクロ>の音楽のラインナップは多彩なアーティストたちが名を連ねる。ジャンルだけでなく、東京を拠点としたアーティストはもちろん、近年増えてきた、各都市を拠点に活動を行う全国区アーティストの出演も多く、強い印象を与えている。また、アジアを中心とした海外の現場で繋がったアーティストも出演するようになった。

「<シンクロ>は今のメインストリームを体現するのではなくて、今のカルチャーの先っぽにある、エッジーで本当に面白いモノを伝えていきたいと思っています。その結果が偶然かもしれないですけど、今のちょっとエッジーなメインストリームのひとつになっているのかなと。蓋を開けて見て、『あの時見てよかった!』、とか1年後、2年後に思い出してみたら『あのラインナップは奇跡的だった』とか。振り返ってみると、最近の<シンクロ>はそういうことって多いですね」

「『その街、都市でどんなカルチャーが起こっているのか』って、人づてや情報ももちろんだけど、やっぱり自分で確かめてみたいし、それを体現した空間をつくりたいから、感度も上げていかなくちゃいけない。常に自分の中で変わらないのは、新しいものを取り入れていくこと。やっぱり年齢を重ねていくと扱うべき情報量も経験も増えていくわけだけど、自分の世代とは違う感覚を持っている若い世代とも現場でもプライベートでも積極的にかかわっています。新しい感性を持っているから楽しいし、自分自身も経験に基づいたサポートができる。自分が持っている感覚と新しい感覚をミックスすることで、また面白いモノができていると感じています」

「インターネットもSNSもどんどん発達して日本が狭くなっていっているように感じるし、情報がどこからでも、誰にでも伝わりやすくなっているから、九州や北海道の地方都市とも以前ほど距離が感じられない。もちろん、それぞれの都市にカルチャーや特徴があって面白いし、そこに行かなければ分からない魅力もある。だけどインターネットを通じて距離はどんどん縮まっているし、その感覚は世界規模でも同じ」

「その中でも、やっぱりアジアが面白いなと思うんです。インターネットのおかげで見かけの距離は縮まっているとはいえ、ヨーロッパ、アメリカなどを現実に行き来するにはコストの問題がある。アジアはその面でクリアしやすいし、面白い音楽が絶えず生まれ、市場も広がっている。日本のアーティストも徐々にアジアでの活動を広げていて、広がりも生まれつつある。それをしっかりドライブして次の可能性につなげていきたい。音楽を通じてアジアと日本の交流を深めていく文化を、<シンクロ>ではつくっていきたいんです」

東京・渋谷という都市から

「日本人から見ても、海外の人から見ても“渋谷”はアイコン。 “渋谷”って雑多で色々なカルチャーが存在していてつかみどころがなくて面白い。こういう場所だからこそフォーカスして、この街ともっと多くのことを一緒にやっていきたいんです。<シンクロ>に来れば、ラインナップはもちろんだけど、音楽だけじゃなくて、参加してくれているこの街のお店や人たちもそうだし、この街だからこそ起きる、運命とも偶然ともつかない素敵な出会いもある。そういう奇跡的な瞬間を<シンクロ>という空間で感じてもらえたら嬉しいですね」

PALLADIUM×SYNCHRONICITY

「<シンクロ>はパラディウムと親和性があると思うんです。都市にフォーカスしている部分や、ブランドが持つストーリーから音楽は切り離せないですよね。音楽はカウンターカルチャーの要素もあるし、パラディウムはそういう側面も強い。そういう親和性を感じてもらえたらと思うし、偶発的な新たな出会いがあるかもしれない。そう、感じています」

 『 OTHERCUT|GALLERY 』 文末掲載

Photo by Mayumi Komoto
Special Thanks:
SYNCHRONICITY'19/LOFT9/duo MUSIC EXCHANGE

PROFILE


都市型フェス&ウェブマガジン『SYNCHRONICITY』 主催者。EARTHTONE Inc.代表取締役。音楽やアート、クリエイティブが関わる様々なイベント、プロモーションを手がけている。

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MODEL/PRODUCT


PAMPA SC SHADOW WPR
パンパ スポーツ カフ シャドウ ウォータープルーフ

アウトドアシーンでも活躍する、メンブレンを内蔵した防水ブーツ。
甲部分はコーティングツイル、踵部分にはラバーを採用。シューレースが光に反射し、夜でも安心して履ける一足。

BLACK/BLACK

CHARCOAL/DARK GULL GREY

OLIVE NIGHT/BELUGA

PRICE:¥14,904(tax incl.)
SIZE:25.0-29.0 cm

EVENT INFO

 

DAY:2019.04.06(SAT) / 2019.04.07(SUN)
※2019.04.05(FRI)は前夜祭、2019.05.18(SAT)は大阪開催
PLACE:TSUTAYA O-EAST、TSUTAYA O-WEST、TSUTAYA O-Crest、TSUTAYA O-nest、duo MUSIC EXCHANGE、clubasia、VUENOS、Glad、LOFT9(東京・渋谷)
URL:https://synchronicity.tv/festival/
TICKET:https://synchronicity.tv/festival/tickets

ARTIST:
4/6(土) 出演アーティスト:
浅井健一 & THE INTERCHANGE KILLS / SOIL&”PIMP”SESSIONS / SPECIAL OTHERS / 雨のパレード / アルカラ / cinema staff / mabanua / KID FRESINO / Awich / STUTS / toconoma / ADAM at / Schroeder-Headz / TRI4TH / JABBERLOOP / カネコアヤノ(バンドセット) / Ghost like girlfriend / ニガミ17才 / GEZAN / 踊ってばかりの国 / THE LITTLE BLACK / CRCK/LCKS / Nao Kawamura / Last Electro / Gai Sunya(from yahyel) / sankara / babaroa … and more!!

BOROFESTA Collaboration Stage:
スカート(弾き語り) / KONCOS / toddle / 羊文学 / キイチビール&ザ・ホーリーティッツ / SAKA-SAMA / ギリシャラブ / アイアムアイ / ミノウラヒロキ・マジックショー

New Action! Collaboration Stage:
Lucie, Too / The Wisely Brothers / Special Favorite Music / Luby Sparks / 東郷清丸 / ザ・おめでたズ / Kick a Show / BLACK BASS / BROTHER SUN SISTER MOON / DJ New Action! (星原喜一郎 / 遠藤孝行)

NishimuraHiyokochan Collaboration Stage:
sora tob sakana / Maison book girl / The Taupe / nhhmbase / falls / the SHUWA / テスラは泣かない。 / SuiseiNoboAz / 座布団5000/ / 松本誠治 / 白鳥雪之丞(Tears of Swan) / 出口博之(exモノブライト) / ハシダカズマ(箱庭の室内楽) / 西村ひよこちゃんemox

4/7(日) 出演アーティスト:
渋さ知らズオーケストラ / ZAZEN BOYS / eastern youth / 在日ファンク / BRADIO / OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND / tricot / CHAI / 犬式(INUSHIKI) / MOROHA / LUCKY TAPES / SIRUP / Tempalay / MONO NO AWARE / DENIMS / TENDOUJI / fox capture plan / bohemianvoodoo / ichikoro / SANOVA / DATS / TENDRE / THREE1989 / UDD(Up Dharma Down / Philippines) / The Songbards / Newspeak / DALLJUB STEP CLUB / WRENCH / ATATA / killie / skillkills / The Cynical Store / YOOKs / Mellow Youth / Chapman / Shiki … and more!!

BOROFESTA Collaboration Stage:
Limited Express(has gone?) / ワンダフルボーイズ / 長谷川白紙 / メシアと人人 / Dos Monos / 徳利 / Gateballers / the hatch / ボギー / アイアムアイ / ミノウラヒロキ・マジックショー

New Action! Collaboration Stage:
showmore / バレーボウイズ / TOKYO HEALTH CLUB / Attractions / No Buses / Mom / MGF / メロウ・イエロー・バナナムーン / Johnnivan / DJ New Action! (星原喜一郎 / 遠藤孝行)