住みたい場所に住む エキサイティングな移住

北アルプス山麓に
移り住むまで

どちらかというと教育熱心な親に育ててもらい、「こうしなければいけない」「こうじゃなきゃいけない」という枠のある価値観をベースに学生時代を過ごしてきました。大学卒業後は、趣味の雑誌を多く取り扱う都内の出版社へ入社。2年目にはアウトドア専門誌の編集部へ配属されたのですが……。ここで関わったのが、いわゆる「普通」じゃない人ばかりで!いろんな生き方があるということを、人との出会いを通じて学ぶことができました。入社4年目からは広告部に配属されて、ビジネスの世界を味わうことに。

雑誌の取材やイベントなどで、様々な山へ出かけました。編集部に配属されて初めての長期ロケは、屋久島の縦走。ときにガイドさんに助けてもらいながら、必死に歩きました。
広告部時代に仕事でスキーをする機会が増えて、気づいたら一番の趣味になっていました。公私ともによく行っていたのが長野県の白馬エリアで、その後の松本市への移住に繋がります。

30代に突入してからも変わらず仕事に邁進していたのですが、あるときから、パタリと仕事を頑張れなくなってしまったのです。結果、退職という形をとり、千葉に住んでライターやその他の仕事で生計を立てていたんですけど、「この働き方なら都内に通う必要もないし、むしろ山に近い地域に住んだほうが有利かも!」と閃いてしまって()。さっそく日本地図を広げて検討した結果、白馬などスキー場が近く、都内へのアクセスも良いという理由で、長野県松本市を移住先に決定。退職して4か月後には、北アルプスの山麓での暮らしをスタートしました。

住んでみて気づいた
四季の魅力

山に囲まれた街で2年間暮らしてみて変わったことは、四季の移ろいを敏感に感じ取れるようになったこと。家を一歩出ると、山がすぐ視界に飛び込んでくるような環境なので、山の色や形の変化に気づけるようになりました。とくに春と秋の、日ごと色鮮やかさを増す新緑と紅葉の美しさには言葉を失います。あと、旬を迎えた農作物の美味しさにも目覚めました。

隣町の安曇野市と北アルプスを見渡す、松本市アルプス公園からの景色。春夏秋冬、日常のなかでハッとする景色に何度も出合えます。
松本市内には、新鮮な農作物が豊富に揃う直売所がいくつかあります。旬の野菜や果物はこれほどまでに美味しいのかと、衝撃を受けました。

街を歩くだけで新しい情報が流れ込んでくる刺激的な東京も大好きですが、今は、この信州での暮らしに心地よさを感じています。フィールドが自宅のすぐ近くにあり、趣味の山登りとスキーを日帰りで気軽に楽しめるということも、他に代えがたい魅力。暖かい地域に住む人からは冬の寒さを心配されることもありますが、この環境からもらえる喜びのほうがはるかに大きいので、まったく苦ではありません。むしろスキー愛好家としては、気温が下がり、雪が降れば降るほど、ニヤケ顔になってしまいますからね。

移住者としての経験を
仕事に活かす

最近、中央アルプスと南アルプスの谷間にある長野県伊那市に引っ越しました。「地域おこし協力隊」の一員として、この街の観光PRの仕事を得ることができたからです。まだ就任したばかりなので具体的な活動はこれからなのですが、今は市内の山々に登ったりして、情報収集を進めています。仕事でよく訪れていたエリアなので、ある程度は理解していたつもりだったのですが、暮らし始めてわかった発見もたくさんあり、日々新鮮な気持ちを味わっています。

就任後、最初に登った山は南アルプスの女王・仙丈ヶ岳。東京に住んでいた頃は丸一日かけて登りに来る山だったけれど、今は半日あれば十分に楽しめてしまう山に!感動!
10月上旬の甲斐駒ヶ岳。仙丈ヶ岳とともに人気の高い百名山で、どちらも市内にある登山口から登ることができます。

私が伊那市での仕事をとおして求められているのは、観光目的で訪れる人や移住する人を増やすための情報発信・企画などを行うこと。社会人になるまで長野県に縁がなかった、Iターンの私だからこそできることがきっとあるはず!そんな思いで、これからも自然のなかで体を動かしながら、この街に役立てることを探っていきたいです。

秋のキャンプ・コーディネート

快晴の週末、尾瀬の麓にある檜枝岐村の見通りキャンプ場に行ってきました。1泊2日のコテージ泊。森の中のこじんまりとしたキャンプ場のコテージの前に大きなタープを張り、みんなでアウトドアすき焼き。すぐそばを流れる川のおかげで防音効果があったので(笑)、コテージの中で大声でウクレレで弾き語りをしたり。

いつもキャンプ場へ出かけるときは、晴れのときはハイカットの登山靴、雨のときは登山靴+長靴を持っていきます。キャンプ場の地面はだいたい、芝や砂利などでゴツゴツしていることが多いので、ソールがしっかりしている登山靴が調子が良いのです。雨の場合も防水だから安心ですしね。ただ登山靴だと、コーディネートがごつくなるのがネックでした。そこで、今回はフランスのブーツブランド「PALLADIUM」の「PUMPA PADDLE LIFT WP」を導入!

トップスはグレーのパーカの上に薄手のダウンジャケットを重ね、ボトムスには焚火の火の粉にも強い厚手のデニムパンツ、足元はパドルプラスをセレクト。
芝の上では、晴れだったとしても朝露で濡れることがある。そんなときも、このシューズのように防水仕様だと安心。シルエットがスマートで、ボーイッシュなスタイルに合うところもお気に入り。日常生活での雨の日のシューズとしてもヘビロテ中。

PROFILE

伊那市地域おこし協力隊/ライター
松元麻希

1985年生まれ、鹿児島県出身。2008年に枻出版社に入社し、アウトドア専門誌『ランドネ』の編集と広告営業を経験。2017年に退職した後、長野県松本市へ移住し、フリーランスで編集ライターとして活動。雑誌『ランドネ』や月刊誌『長野こまち』などの雑誌媒体のほか、『スポーツタウン御殿場』、『Ringos』などのウェブ媒体で編集執筆を行う。2019年秋より、伊那市地域おこし協力隊としても活動中。

スポーツタウン御殿場
https://spotogotemba.com/
Ringos
https://ringos.me/creators/1028
伊那市地域おこし協力隊
https://www.inacity.jp/smph/iju/sundemasu/kyouryokutaisyoukai/matsumoto.html
Facebook
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